改修前の免税店内。島什器が動線を遮っていた

BIMで挑む、空港免税店の「稼ぐ空間」づくり

 函館空港の免税店を、BIM(Building Information Modeling)を活用してリニューアルしたプロジェクトです。北海道エアポート株式会社を施主に、国際協商株式会社のプロデュースのもと、ANALOGが内装設計・監理を担当しました。
 改修前の売場には、次の3つの課題がありました。
 ①視認性の低下:動線を遮る島什器と、見えにくい壁面。
 ②陳列量の限界:限られた面積での商品陳列量。
 ③統一感の欠如:メーカー什器が混在し、前回の改修から9年が経過。

BIMで検証した島什器タテ配置案のホワイトモデル

BIMで空間と顧客体験を検証する

 既存の売場をBIMで立ち上げ、デジタルツインとして配置を比較検討しました。既存配置案、島什器ヨコ配置案、島什器タテ配置案を、来店客の目線で歩き、見通しや動線を確認しながら検証しています。
 その結果、最終的にタテ配置案を採用。島什器の高さを1500Hに抑えて店内の見通しを確保し、壁面の商品も目に入りやすい売場としました。

「函館の森」をイメージした床仕上げのBIMシミュレーション

「函館の森」をテーマに、床からデザインを見直す

 売場全体の統一感をつくるため、「函館の森」をカラーコンセプトに掲げました。BIM上で床仕上げをシミュレーションし、色や質感の違いによる空間の印象を、関係者と同じ画面で確認しています。
 当初の計画にはなかった床の改修も、完成イメージを共有できたことで、スムーズな合意に至りました。

レジカウンターとバックヤードの境界

見えない部分の交通整理

 空港の店舗改修は、複数の事業者が関わり、工事の区分も複雑です。BIMで空間を共有することで、設計変更を床仕上げと什器のデザインに絞り込み、工事区分の調整もスムーズに進めました。
 サインはモジュール化して統一感を保ち、既存のメーカー什器とも調和するよう配慮しています。完成後の空間は、BIMシミュレーションをほぼそのまま再現しています。

待合席越しに見る免税店の正面
「DUTY FREE SHOP」のサインと店舗入口
入口サイン越しに見る島什器
壁面什器が並ぶ店内の通路
発光する足元の島什器と売場
店内中央から見る島什器と壁面什器
酒類を並べた壁面什器
ギフトを並べた壁面什器
化粧品売場と島什器
入口サインと島什器
BIMパース(正面)
BIMパース(斜め)

Data

所在地北海道函館市高松町
用途空港免税店
規模店舗面積 90 ㎡
竣工2026年4月
クライアント北海道エアポート株式会社
プロデュース国際協商株式会社
内装設計・監理ANALOG Inc.
施工株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザイン
撮影梶原敏英