1994年の創業ガリバーインターナショナル(現IDOM)の第 1号店である安積店リニューアル前の写真

1994年の創業以来「買い取り専門」のパイオニアとして業界をリードしてきた中古車のガリバー(現IDOM)は、2014年に創業20周年を迎えるにあたり、創業の地福島県郡山市の第1号店である安積店を「小売り」に打って出る新たな店舗としてリニューアルしたのが本プロジェクトです。

建物全体のコンセプトを「舞台装置としてのショールーム」とし、クルマとスタッフがCAST(役者)になり、お客様に最高の購買体験をもたらす店舗となるようデザインしました。外観デザインにおいては、建物を一つの大きな木箱に見立て、そこに大きな開口を穿つことにより、道行く人々にクルマの持つ楽しさや魅力をアピールする舞台としてに見えるように計画しました。

「舞台装置としての ショールーム」をコンセプトとしたガリバー安積店の外観イメージ
ガリバー安積店のショールーム全体の内観俯瞰イメージ

平面計画においては1FLをGLから1.5mの高さに設定し、ショールーム内には上下に3台づつ、計6台のクルマを展示することが可能なひな壇を設けました。このことにより、外部からは屋外とショールーム内全てのクルマを見ることが可能となり、内部においては一つの空間の中に段差のあるランドスケープを生み出し、他のディーラーでは味わうことの出来ない購買体験を生み出しています。

また「SIMPREMIUM」というデザインコンセプトを掲げ、建物全体のトーン&マナーをコントロールしいます。クルマの良さを引き立てるための「SIMPLE」と、居心地の良さをつくり出す「PREMIUM」をかけあわせ、ダイナミックなデザインフォルムに組み合わされるシンプルな形、そして心地良い素材感と色使いで手の届く高級感を作り出した。

ガリバー安積店のショールーム内観イメージ
森林をメタファーとした空間の事例・写真(ガリバー安積店)

ディーラー内では滞在時間が3時間にも及ぶこともあります。そのため地下に設けられたレストエリアを「SPACE for HEALING」という名の癒しの空間としました。ホールをガーデン、授乳室をネスト、喫煙室をキャビン、そしてトイレをウッズと捉え、木立や落ち葉など森林をメタファーとした空間に仕立て上げています。

2014年1月1日のグランドオープン以来、訪れるお客様からは好評を得ており、特に女性のお客様からは、居心地の良さをその理由に挙げて頂いています。また全国約450のガリバー店の中で、単位面積あたりの販売実績が全国トップになるなど、小売りの旗艦店にふさわしい店舗になっています。

福島県郡山市のガリバー安積店の正面外観写真
ガリバー安積店の外観写真

「ガリバー安積店」データ

所在地:福島県郡山市南2-7
工事種別:新 築
敷地面積:2,927.75m²
建築面積:632.00m²
延床面積:754.25m²(1 階・615.95m² 地下 138.30m²)
構造/高さ:鉄骨造、直接基礎 / 9.1m
工 期:約7ヶ月間
施 主:ガリバーインターナショナル(現IDOM)
デザインアーキテクト:ANALOG(サイン・FFE含む)
外部照明デザイン:ライトモーメント
内部照明デザイン:TACT 4
設計・監理:大和ハウス工業
施 工:大和ハウス工業
サ イ ン:クリエイティブダイワ
什器制作:タキザワ